元ベルギー代表FWで、レアルマドリードでプレーしていたエデン・アザール選手が、2023年10月10日、自身の公式SNSで現役引退を発表しました。サッカー好きであれば誰しもが知っているであろう世界トッププレイヤーの彼の引退報道は国内国外を問わず、悲しみの声で溢れ、多くの関心が集まっています。今日この記事ではそんな彼が今回引退を決意した理由と、そのサッカー人生、今後について深掘りしていければと思います。

エデン・アザール選手のプロフィールとこれまでの経歴

身長173cm
体重74kg
年齢32歳
出身国ベルギー
所属チーム元レアルマドリード
ポジションFW
アザール選手のプロフィール

今では世界が認めるプレイヤーになった彼は、1991年1月7日ベルギーのエノーラ州ラ・ルヴィエールという都市で4人兄弟の長男として誕生します。両親ともに元プロサッカー選手ということもあり、幼少期からサッカーが好きだったそう。

そんな彼は、2007年にフランスのリールというチームでプロデビューを果たし、2012年、イングランド(プレミアリーグ)の名門チェルシーに移籍し、7シーズンをプレーします。このチェルシーでの活躍に期待が集まり、2019年にレアルマドリードへ移籍。相次ぐケガに苦しみ、思うような活躍ができない中迎えた2023年の6月、レアルマドリードとの契約解消に合意し、退団。以降、無所属の状態が続いていましたが、10月10日現役引退を表明しました。

これまでに彼が残した成績とタイトル

アザール選手公式X(旧Twitter)より引用

LOSCリール時代

上にも書いたように彼は、2007年フランスリーグのリールというチームでプロデビューします。このリールでは、2008-09シーズン、2009-10シーズンの2年連続でベルギー人初、そして史上初となる2度の最優秀若手選手賞を受賞します。リールで出場した公式戦194試合で50ゴールという輝かしい記録を達成し、リールの2冠にも貢献するなど世界から期待の若手として注目を浴びます。

チェルシーFC時代

2012年、プレミアリーグの様々なビッグクラブへの移籍が噂される中、チェルシーFCへの完全移籍が決定します。開幕戦から存在感を示し、リーグ1年目ながらPFA年間ベストイレブンに選出されるなどの活躍を見せます。

その後も記録的な活躍を見せ続け、個人タイトルを総なめにし、チェルシーでの公式戦通算352試合に出場し、110ゴール92アシストという驚異の成績を残します。これはハットトリック等もありますが、単純計算で約3試合に1ゴールを決めるという衝撃的な成績です。また、ゴールにも負けないアシスト数も記録しており、彼が得点も取れて味方も活かせる素晴らしい選手であるということがよく分かる結果ですね。

彼の在籍中、チェルシーFCは2度のプレミアリーグ優勝、ヨーロッパリーグ(EL)優勝、その他FAカップ、EFLカップの優勝など様々なタイトルを手にし、その立役者としてエデン・アザールの名はたちまち世界中に広がります。

レアルマドリード時代

2019年、世界の注目と期待を背負い、スペインの名門レアルマドリードに移籍します。 チェルシー時代での活躍を期待され、世界的にも大きな注目を浴びた移籍になりましたが、移籍後は相次ぐケガに苦しみ、思うようなプレーができず復帰しては離脱しての繰り返しでした。

チームとしてはこのシーズン(2019-20)にリーガ優勝を決め、タイトルを手にしましたが、個人としては公式戦わずか16試合の出場に留まりました。彼自身は移籍1年目のシーズンについて、「今年、我々はタイトルを獲得した。でも、個人的には疑いなくキャリアで最悪のシーズンになったよ」と語っています。

その後もケガでの離脱が重なり、ようやく長期離脱なくプレーできた2022-23シーズンも大した活躍ができないまま2023年6月にレアルマドリードとの契約解消に合意し、退団しています。

ベルギー代表

ベルギー代表では通算126試合に出場し、33ゴールを記録するなどベルギーを牽引する存在として活躍し、2018年のFIFAワールドカップではベルギー代表のキャプテンとしてベルギー史上初となる3位という結果に導きました。

アザール選手ってどんな選手?プレースタイルやプライベートも公開!

アザール選手公式X(旧Twitter)より引用

プレースタイル

サッカーファンであれば、誰しもが彼のプレーを目にしたことがあるかと思いますが、なぜ彼はこれほどまでのタイトルを獲得し、世界中に認められる選手になれたのか。 アザール選手のプレーを見ていて、世界トップレベルだと思うポイントは2つです。

1つ目

1つ目は、なんといっても「ドリブル」ですね。身長173cmと世界的にみると小柄な選手ですが、小柄な体格から繰り出される重心の低いドリブルはディフェンスが密集するところでも難なくすり抜けられます。また、ボールタッチが細かくスピードもあるので足を出してきたディフェンスを抜き去ることもファールを誘うこともできる最強のドリブルだと思っています。2018年のFIFAワールドカップの準決勝ではサッカー大国ブラジルを相手にドリブル成功率100%という数字を叩き出し、話題にもなりました。

2つ目

2つ目は体幹の強さです。小柄ながら体格の大きいディフェンスのタックルを受けてもボールを失わない体幹の強さは、プレミアリーグ時代でも際立っており、ドリブルがうまい選手は他にもたくさんいますが、ここまで体幹の強さも備わったドリブラーは世界を見ても彼しかいないのではないかと思います。

そんな彼のドリブルと体幹の強さを象徴するゴールが2017年のチェルシーvsアーセナルの1戦で見せたゴールです。後半8分、ハーフウェーライン付近でボールを持ったアザール選手は持ち前の体幹の強さとドリブルで相手ディフェンスをなぎ倒しながら、ボールを運び、最後には一人でゴールを決めてしまいます。このゴールはプレミアリーグでも伝説と語られるほど、サッカーファンの記憶に残り続けるゴールです。

2017年 チェルシーVSアーセナル 後半8分

プライベート

アザール選手は14歳で出会った女性と21歳で結婚し、3人の子供がいます。愛妻家として知られ、自身のSNSでは家族で行ったディズニーランドの写真などが投稿されています。 その他にも熱狂的なNBAファンとしても有名で、ロンドンでNBAがあった際には会場まで足を運び観戦したみたいです。

また、大のハンバーガー好きとしても知られ、オフシーズン明けにはきまって体重増加を指摘されていたみたいで、チェルシー時代にはホームスタジアム近くのハンバーガー屋にアザールが来店した際には、ハンバーガーの提供を断るようにチームが店に直接頼んだこともあったそうです(笑)。 レアルマドリード時代にもアザール選手の体型を心配する声が多く上がっていたことも記憶に新しいですね(笑)。

アザール選手の引退と今後について

アザール選手公式X(旧Twitter)より引用

2023年10月10日、アザール選手は自身のSNSで引退を表明しています。

「自分自身の声に耳を傾け、適切なタイミングで辞める必要がある。16年間で700試合以上をプレーしてきた今、プロサッカー選手のキャリアに終止符を打つことにした。」

「僕のキャリアの中で素晴らしい人々や監督、コーチ、チームメイトに出会うことができて光栄だった。また、僕がプレーしたリール、チェルシー、レアルマドリード、そしてベルギー代表にも感謝を伝えたい。家族、友人、アドバイザー、そして良いときも悪いときも僕の側に寄り添ってくれた人々には特別な感謝の気持ちを送りたい。」

「最後に、これまで僕を応援してくれたファンの皆さんに心から感謝したい。今は親しい人たちと楽しみ、新しい経験をする時だ。」

そして最後に、こう締めくくっています。

「ピッチの外でまた会おう。」

歴史的なサッカー選手の引退表明に世界各地から悲しみの声が寄せられ、元スペイン代表のファン・マタ選手や、フランス代表のキリアン・エンバぺ選手など数々のスター選手が各自のSNSで彼の引退表明に反応しています。

彼の今後について

彼が今後、どうしていくのかは世界中のサッカーファンが注目し、関心を寄せるところです。引退前もサウジアラビア1部のクラブからオファーを受けていますし、ウエストハムのアシスタントコーチがアザール選手の復帰に興味を示すなど、まだ32歳という若さの彼の復帰を期待する声が挙がっているそうです。

また、引退を表明したSNSでの投稿ですが、最後に「ピッチの外でまた会おう。」と語っているように、何らかの形でサッカーに関わるのではないかとの予測もされています。

まだ何も分かってはいませんが、今後の彼の動向に注目したいですね。

まとめ

今日は、2023年10月10日に引退を表明した元ベルギー代表のエデン・アザール選手のサッカー人生について深掘りしてきました。世界中のサッカーファンを虜にし、様々なビッグタイトルや記憶に残るシーンを残し続けてきた彼の引退は、いちサッカーファンとして悲しいものもありますが、彼の今後に期待し、楽しみに待ちたいと思います。

では、また。

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