サッカーにはたくさんの魅力がありますが、やはり得点が決まった時というのは1番の盛り上がりを見せます。そしてその盛り上がりの中で、得点を決めた選手が喜びを表す「ゴールパフォーマンス」も得点時にしか見ることが出来ない醍醐味の1つです。
そこで今日は、その「ゴールパフォーマンス」について、どんなゴールパフォーマンスがあるのか、世界の有名選手はどんなゴールパフォーマンスをしているか、またゴールパフォーマンスにおけるルールや禁止行為、その歴史についても徹底的に解説していきます。
ゴールパフォーマンスとは?
サッカーのゴールパフォーマンスとは、試合で得点を決めた選手やそのチームが喜びや興奮を表現する方法(パフォーマンス)です。各選手やチームによって様々なパフォーマンスがあり、得点時の楽しみの1つとなっています。
ゴールセレブレーションとも言う
ゴールパフォーマンスは、別名「ゴールセレブレーション」とも言われています。特にヨーロッパの方ではこっちの言い方が主流のようです。セレブレーションとは、「祝い」といった意味があり、得点を祝福するといった意味で、ゴールセレブレーションと呼ばれています。
どんなゴールパフォーマンスがあるの?
では、実際にどんなゴールパフォーマンスがあるのか?
ここでは、その中でも代表的で多くの選手が行っているゴールパフォーマンスを紹介していきます。
ガッツポーズをする
サッカーに限らずだとは思いますが、ガッツポーズは喜びを表現する1番ベタな方法だと思います。その為、サッカーのゴールパフォーマンスでも多く使われており、目にする場面も多いゴールパフォーマンスですね。国内、国外関わらず全世界共通のパフォーマンスだと言えます。
神への祈り
宗教上の関係で、日本ではあまり見ないゴールパフォーマンスですが、海外では多く目にするゴールパフォーマンスですね。キリスト教であれば、胸の前あたりで十字架を描き、空に手を掲げるのが一般的です。イスラム教では、正座をして地面に頭をつけて神への祈りを捧げます。
ダンスをする
ダンスを踊り、喜びを表現するパフォーマンスもあります。有名なので言うと、画像の「ゆりかごダンス」などが挙げられます。チームメンバーの出産をお祝いすると言った意味があるそうです。その他にも国の伝統舞踊や選手に関わりのある独自のダンスなど、様々あるようですね。
手や指にキスする
左手の薬指や、子供のタトゥーが彫られた手にキスするなど、愛する人や大切な人に向けてのメッセージが込められたゴールパフォーマンスです。その他にも、手でハートを作る、投げキッスをするなど、誰かに愛を伝えるパフォーマンスをする選手も多くいます。
アクロバットパフォーマンス
特に海外の選手が、得点後にバク転やバク中などのアクロバティックなパフォーマンスを披露することがあります。身体能力の高いアフリカ系の選手がやることが多いパフォーマンスです。簡単に真似できるパフォーマンスではないですね(笑)。
海外選手のゴールパフォーマンス
ここでは、実際に海外の有名選手がどんなゴールパフォーマンスをしているのかについて、動画付きで分かりやすく解説していきます。
クリスティアーノ・ロナウド選手
国籍 | ポルトガル |
生年月日 | 1985年2月5日 |
身長/体重 | 185cm/85kg |
ポジション | FW |
有名なゴールパフォーマンスは?と聞かれれば彼を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?今では世界中の子供やサッカーファンが真似するまでに浸透し、人気のあるパフォーマンスです。彼のシンボルとも言えるゴールパフォーマンスですね。
キリアン・エムバぺ選手
国籍 | フランス |
生年月日 | 1998年12月20日 |
身長/体重 | 178cm/75kg |
ポジション | FW |
25歳という若さでありながらも、自国フランスのエースとして活躍し、得点を量産するエムバぺ選手。そんな彼のゴールパフォーマンスは、弟と遊んでいる時に弟が見せたポーズをそのままゴールパフォーマンスとして使うようになったそうです。
ネイマール選手
国籍 | ブラジル |
生年月日 | 1992年2月5日 |
身長/体重 | 175cm/68kg |
ポジション | FW7 |
サッカー王国ブラジルのエースとして活躍する彼のゴールパフォーマンスは、ブラジルの選手ならではといった独特のダンスです。チームメンバー数人とダンスを踊っていることが多いですね。また、毎回そのダンスの種類も違うので、注目して見てみると面白いかもしれませんよ。
パウロ・ディバラ選手
国籍 | アルゼンチン |
生年月日 | 1993年11月15日 |
身長/体重 | 177cm/73kg |
ポジション | FW |
彼のゴールパフォーマンスは、人差し指と親指で口を覆うようなパフォーマンスで、ファンの間では「ディバラマスク」と呼ばれています。剣闘士を表現したゴールパフォーマンスのようで、シンプルながらもかっこいいゴールパフォーマンスですね。
※動画内1:40~のところがわかりやすいです。
リオネル・メッシ選手
国籍 | アルゼンチン |
生年月日 | 1987年6月24日 |
身長/体重 | 169cm/72kg |
ポジション | FW |
世界No.1プレイヤーとして、誰もが認める彼のゴールパフォーマンスは、両手を空に掲げて神への祈りを捧げるといったものです。海外の選手、特にヨーロッパの方ではよく見かけるパフォーマンスですね。普段から神への信仰を大切にされていることがよく分かるゴールパフォーマンスと言えます。
※動画内0:10~のところでゴールパフォーマンスをしています。ゴールパフォーマンス自体は一瞬ですが、彼のスーパープレーと共にお楽しみください。
日本人選手のゴールパフォーマンス
では、世界トップレベルの選手たちがどんなゴールパフォーマンスをしているか見てきたところで、続いて日本人選手のゴールパフォーマンスもいくつか紹介していきます。
三浦知良選手
国籍 | 日本 |
生年月日 | 1967年2月26日 |
身長/体重 | 177cm/72kg |
ポジション | FW |
日本にゴールパフォーマンスというものを定着させた第一人者と言える存在です。彼のパフォーマンスは、「カズダンス」の愛称で知られ、日本中にブームを巻き起こしました。当時、派手なゴールパフォーマンスがなかった日本に変化をもたらしたゴールパフォーマンスと言えるでしょう。
東日本大震災の復興支援チャリティーマッチで見せた「カズダンス」です。
佐藤寿人選手
国籍 | 日本 |
生年月日 | 1982年3月12日 |
身長/体重 | 170cm/65kg |
ポジション | FW |
Jリーグの得点王や12年連続2桁得点など、たくさんの功績を残した彼のゴールパフォーマンスは、弓矢を射るパフォーマンスです。サンフレッチェ広島のチーム名が3本の矢に由来していることから、このパフォーマンスをしていたそうです。クラブへの愛が伝わるゴールパフォーマンスですね。
長友佑都選手
国籍 | 日本 |
生年月日 | 1986年9月12日 |
身長/体重 | 170cm/68kg |
ポジション | DF |
彼のゴールパフォーマンスで有名なのは、彼がインテル在籍時代に見せた「お辞儀パフォーマンス」です。日本人ならではの「お辞儀」という文化をゴールパフォーマンスに取り入れ、現地でも話題となったパフォーマンスです。
Jリーグのゴールパフォーマンス
Jリーグでは、海外に比べてチームメンバー複数人でパフォーマンスをすることが多い傾向にあります。特にサンフレッチェ広島や川崎フロンターレのゴールパフォーマンスは、日本サッカー界の中でも有名ですね。その他にも流行りを取り入れたパフォーマンスや、アニメのキャラを真似たパフォーマンスなど様々あるので、ぜひ注目して見てみてください。
Jリーグで話題となったパフォーマンスを集めた動画がありましたので、ぜひご覧ください。
ゴールパフォーマンスの歴史と経緯
ここまで、選手たちがどんなゴールパフォーマンスしていて、ゴールパフォーマンスにはどんな種類があるのかを紹介してきました。今では、得点後にゴールパフォーマンスをすることが当たり前のようになっていますが、昔はそうでもなかったようです。ここでは、現在に至るまでの歴史と経緯について解説していきます。
「ゴールパフォーマンス」というものが、存在しなかった頃
もともと、ボディランゲージを使った感情の表現方法は、地域によって捉え方に違いがあったそうです。イタリアやスペインといったラテン系の国々やブラジルなどの南米の国では、自由に振る舞うことが許容されていた一方で、イギリスやドイツを始めとした北ヨーロッパや東アジアなどでは、成人が感情をさらけ出す行為は、未成熟さの表れといった認識だったみたいです。
また、ピースサインやグッドサインのポーズの捉え方にも地域によって違いがあったみたいで、そのままの意味で受け取られる国もあれば、敵意を表していると受け取られる国もあったそうです。このような違いから、身振り手振りを使うゴールパフォーマンスは広く一般的ではなかったようです。その為、得点時には握手する、肩を叩く程度だったそうです。
「ゴールパフォーマンス」というものが出来たきっかけ
第二次世界大戦後、各国の選手の移籍や交流が盛んになり、異なる地域の選手たちがコミュニケーションを取れるようになった為、まだ否定的な国も多かった一方で、徐々に喜びを表現するといったことが認められるようになっていきました。
そんな中、明確なきっかけは未だに分かりませんが、1966年に開催されたFIFAワールドカップイングランド大会で、9得点を挙げて得点王となった元ポルトガル代表のエウゼビオという選手が行ったパフォーマンスが、全世界にゴールパフォーマンスというものを広めたきっかけになったのではないかと言われています。
現在に至るまで
その後、世界各地で様々なゴールパフォーマンスが行われ、たくさんのバリエーションが生まれていったことで、得点後にゴールパフォーマンスを行い、喜びを表現するといった行為が浸透していったようです。そして今では、観客と共に喜びを分かち合ったり、コミュニケーションを取る手段となり、サッカーの楽しみの1つとして世界中で認められるものとなりました。
ゴールパフォーマンスのルール
では、ゴールパフォーマンスをするにあたってルールは存在しないのか?どんな表現をしてもいいのか?
結論から言うと、ゴールパフォーマンスにはルールがあります。何をしてもいいというわけではないということですね。FIFAの競技規則に、「得点時のパフォーマンスは、過剰であってはならない」という決まりがあります。場合によっては、カードの対象となることもあるので注意が必要だと言えますね。具体的な禁止行為は以下の通りです。
・ユニフォームを脱ぐ、ユニフォームで頭を覆う
・柵によじ登る、観客席に入るなど
・挑発的な行為、反社会的なジェスチャーなど
1つ目のユニフォームを脱ぐといった行為をしている選手は割といますが、これも実はカードの対象です。ですが、もともとはカードの対象ではなかったみたいです。ではなぜこの行為が禁止になったのか、その経緯を説明していきます。
ユニフォームを脱ぐのが、禁止行為になった経緯
問題となったのは、2002年。当時、マンチェスターユナイテッドに所属していたフォルランという選手が、ある試合で決勝ゴールを決め、ユニフォームを脱いで喜びを表現するゴールパフォーマンスを披露しました。その際、そのゴールパフォーマンスがあまりに長すぎた為に主審が試合を再開させましたが、フォルラン選手はまだユニフォームを着ていなかったので、ユニフォームを片手に持ったまま上半身裸の状態でプレーすることとなりました。
この事態を受けて、2004年にユニフォームを脱ぐという行為が禁止行為となったのです。
ゴールパフォーマンスで問題となった事例
ゴールパフォーマンスは得点を決めた選手のみならず、チームメンバーやベンチ、観客と喜びを分かち合う手段として行うものですが、過去にはこのパフォーマンスで問題となった事例がたくさんあります。その事例の一部が紹介された動画がありましたので、ぜひご覧ください。
政治的な意味を持つパフォーマンスや、挑発的なパフォーマンス、一般的にタブーとされているパフォーマンスなどをして、カードや退場、罰金処分となった選手は多くいるようですね。
ゴールパフォーマンスは、相手や観客への敬意や配慮が必要
ゴールパフォーマンスの表現方法は、先ほどお伝えした行為以外は基本的に自由ですが、相手チームや観客へのリスペクトは必要です。挑発的な行為や誰かが悲しい思いをするようなパフォーマンスは控えるべきです。相手チームやベンチ、観客などにしっかりと敬意を払い、配慮を行った上でゴールパフォーマンスをすることが最も大切なことだと言えるでしょう。
まとめ
さて、今日はサッカーのゴールパフォーマンスについて解説してきました。世界トップレベルの選手や日本の選手がどんなゴールパフォーマンスをしているのか、またゴールパフォーマンスのルールやその歴史を知ることが出来たかと思います。
サッカーは他のスポーツに比べて1点に重みがあります。だからこそ、得点時の喜びは非常に大きいですし、得点後に行うゴールパフォーマンスも、サッカーの楽しみの1つとなっています。相手チームや観客をしっかりとリスペクトした上で、喜びを分かち合うということが何より大切ですね。
では、また。