現在、世界中で愛され、人々が熱狂するほど人気のあるスポーツ「サッカー」。国際サッカー連盟には世界の200以上の国や地域が加盟し、世界のサッカー人口は約2億6000万人と言われています。

そんな超人気スポーツサッカーですが、その起源はどこから来たのでしょうか?どのように始まり、どのように進化してきたのでしょうか?

そこで今日この記事では、サッカーの起源や歴史について詳しく解説していきます。この記事を読んでサッカーの歴史を知ることができれば、きっとあなたも更にサッカーが好きになることでしょう。

サッカーの起源について。~有力説4選~

サッカーの起源には、たくさんの説があり、何が正確なのかは未だに誰もわかっていません。ですが、その中でも有力とされる説がいくつかありますので、紹介していきます。

中国説

皆さんは、蹴鞠(けまり)という言葉を聞いたことがありますか?歴史の授業などで出てくる為、1度は聞いたことがある方も多いかもしれません。

※「けまり」という読み方が一般的ですが、最近は「しゅうきく」と呼ばれることが多くなったみたいです。

12人1チームで「球門」と言われるゴールにボールを入れた回数を競っていたみたいで、元々は兵士たちの運動能力向上を目的として始まったものでしたが、次第に娯楽として認知され、大衆にも広まっていったようです。

FIFAが公式ホームページで、「昔の中国のスポーツ、蹴鞠(けまり)がサッカーの起源」と紹介していることもあり、一番有力説だと考えられています。

中世イングランド説

一番有力な中国説がある一方で、一番広く知られているのがこの中世イングランド説です。この時代のイングランドでは、戦争に勝った時に敵将の首を切り落とし、その首を蹴って遊ぶことで勝利を祝っていたようです。その首がボールに変わり、大衆に広まっていったことが起源だと言われています。

この遊びは、危険すぎるとの理由から1度は禁止されますが、後にスポーツとしてのルールが加わり、現代のサッカーに進化していったと言われています。

イタリア説

このイタリア説も有力説の1つです。

イタリアでは、8世紀以前から「カルチョ」と呼ばれる宮廷の門で賞金を懸けてボールを蹴りあう遊びが行われていました。「カルチョ」はイタリア語で「蹴る」を意味しています。

ボールを蹴る以外にも、格闘技要素もあったそうで、ケガ人もでるほど激しい戦いになっていたようです。

また、人数やスペースが決まっているなど当時としては非常に細かいルール設定だった為、現代のサッカーと1番形が近いとのことで、このイタリア説が有力説だとの声も挙がっています。

イギリスのキリスト教のお祭り説

最後の1つは、キリスト教のお祭り説です。

起源になったと言われている「シュローブタイド・フットボール」というお祭りは、現在もイングランドのダービーシャー州中部にある街で年に1度開催されています。

お祭りは、町全体をフィールドとし、真ん中に流れる川を境に出身地によって2つのチームに分かれ、互いのチームがゴールを目指すというものです。両ゴールの距離は5kmにもなり、「人を殺さない」「教会、墓地に入らない」以外のルールは特に決められていない為、ケガ人が出るほど激しいお祭りだったといわれています。

サッカーに関する遺跡!?が発見されている。

色んな説がありますが、ボールを足で蹴るという遊びは古くから色んな国で行われていたのではないでしょうか?難しい遊びでもないですし、ボール1つあれば十分です。

実際に、古代ローマや古代ギリシャなどで、足でボールを蹴っている様子が写された遺跡が発見されています。

ギリシャで発見された遺跡

色んな想像が膨らんでとても面白いですね!

サッカーの発展と歴史

起源は定かではないですが、サッカーが現在の形になるまでの歴史を紹介します。

後ほど詳しく解説しますが、最初はイングランドでサッカーに「ルール」というものが制定され、現在の形のサッカーになります(1863年)。それを世界に広めたのは、イギリスの「産業革命」がきっかけです。産業革命によって、多くのイギリス人商人や船乗りが世界中に渡った為、その時に広まったようです。

ボール1つで、気軽に楽しめることからサッカーというスポーツはすぐに世界中に浸透していきます。その根強い人気から1904年にFIFA国際サッカー連盟が設立。その4年後にはオリンピックの正式種目として認められ、現代サッカーの形が誕生します。更に、1930年にはウルグアイで第1回ワールドカップが開催され、世界中で愛されるスポーツへと進化していきます。

世界初のサッカークラブ

こうしてサッカーは全世界に広まり、今では世界に数多くのチームが存在していますが、世界初となるサッカークラブが誕生したのは1857年。

イングランド北部の工業都市シェフィールドで、パブリックスクールの出身者たちが冬にできるスポーツとして、「フットボール」を選択。「シェフィールド・フットボール・クラブ」が創設。世界初となるサッカークラブが誕生します。

世界初のサッカー大会

1863年にFAが設立されて以降、世界最古と言われるカップ戦ユーダンカップが1867年に開催されます。その後1872年には現在も行われるFAカップが開催されるなど、この辺りから、リーグ戦やカップ戦が次々に開催されるようになりました。

日本にはいつ伝わったの?

では、私たちが住む日本にはいつ伝わってきたのか?

それは1873年。イギリスの軍人が、日本の海軍に訓練の合間の息抜きとして伝えたのが始まりだと言われています。サッカーを学んだ学生が後に教員となり、全国に赴いたことでサッカーは日本中に広まっていきます。

1918年には、日本フットボール大会が開催され、その翌年には後に今の日本サッカー協会となる日本蹴球協会が設立。次第に国民に愛されるスポーツへと変化していきます。

ルール制定前と現在のサッカーの違い

ルール制定前のサッカー

ルール制定前は、手を使うことがOKな所もあれば、足しかダメだという所があったり様々なルールがありました。また、相手を倒す、殴るという格闘技の要素も含まれていたようで、かなり激しく危険なスポーツだったようですね。

現在のサッカー

1863年、FA(Association Football)が設立され、現在のサッカールールが制定されます。ここで初めて、手を使わず足で行うスポーツということが認められます。

フットボールとサッカーの違い

皆さんは、「フットボール」と「サッカー」2つの呼び名があることに疑問を感じたことはありますか?

実は、日本ではサッカーと呼ばれることが一般的ですが、世界の9割以上の国や地域では「フットボール」と呼ぶことの方が多いみたいです。なぜ、このように呼び方に違いが生まれたのでしょうか?

それを今から解説していきます。

先ほどの解説にもあったように、元々のサッカーは手を使うもよし、足を使うのもよし、人を殴る蹴るも当たり前のスポーツでした。そんな中でルールを統一しようとの声が挙がるのですが、2つの派閥に分かれてしまいます。

1つは、現在のサッカーの形を支持する派閥。

もう1つは、手でボールを持ったり、相手をなぎ倒すことを良しとする今でいうラグビーの形を支持する派閥。

そこで1863年に設立したFAが正式なルールを制定。手を使わない現代サッカーの形に決定します。

一方で、ここでは正式なスポーツとして認められなかったラグビー派閥も、後にラグビーというスポーツとして認められていきます。このように1つとされていたスポーツから、サッカーとラグビーという2つのスポーツが誕生していきます。

欧州や南米の国はフットボールをラグビーと区別する為に、「フットボール」と呼び、日本やアメリカなどは、アメリカンフットボールなどと区別する為に「サッカー」と呼ぶようになったみたいです。

まとめ

今日は、サッカーの起源やその歴史について詳しく解説してきました。

今では、世界中で愛されるスポーツとなったサッカーですが、そこには深い歴史がありましたね。

・サッカーの起源について様々な説があること。

・サッカーがどのように広まり、発展し、どのように日本に伝わったのか?

・ルールが制定される前と後でどのように変わったのか。

・フットボールとサッカーの違いが生まれた歴史について。

普段何気なくテレビでサッカーを見たりプレーしたりしている私達ですが、その起源や歴史を知ることで、今よりもっとサッカーが楽しめそうですね。

では、また。

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