サッカー経験者やサッカーファンであれば、誰しもが一度は「MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)」と言う言葉を聞いたことはあるでしょう。
ですが、それは一体何なのか?について知っている方はそこまで多くないことかと思います。そこで今日はサッカーにおける「MOM」について詳しく解説していこうと思います。今日の記事を読んで、「MOM」について理解することが出来れば、サッカーがより楽しくなることでしょう。
MOMの意味とは?
MOMとは、「Man Of the Match(マン・オブ・ザ・マッチ)」の略(頭文字をとったもの)で、その試合で最も活躍した選手、又は最も印象に残った選手に各試合ごとに与えられる賞のことです。
簡単に言うと、各試合で一番印象的だった選手に対して贈られる賞のことですね。
MVPとの違いは?
MOMとよく似た賞に「MVP」というものがあります。MVPの方が聞き慣れているという方も多いのではないでしょうか?では、この「MOM」と「MVP」にはどんな違いがあるのでしょうか?
それは、MOMは「各試合ごとに選出される賞」なのに対して、MVPは「各シーズンや各大会ごとに選出される賞」といった違いがあります。
MOMが各試合で最も印象に残った選手を選出する賞であり、MVPはシーズンや大会など一区切りの期間において最も活躍した選手や最もチームに貢献した選手に与えられる賞となっています。
MOMはどうやって選出されているのか?
では、実際にMOMがどのようにして選出されているのか?について「選定基準」、「選考過程」の2つに分けて解説していこうと思います。
選定基準
実は明確な選定基準というものは存在しません。例えば、「何点決めたからこの選手がMOMだ」とか、「決勝点を挙げたからこの選手がMOMだ」といったような決まりはありません。確かにそのようなプレーをした選手がMOMに選出される可能性は高いですが、これをしたからこの選手を選出するといったことは決してありません。
1つだけわかるのが、「その試合で最も印象的だった選手」に贈られる賞だということです。
選考過程
次に選考過程ですが、その試合後に試合データやプレーの質、チームへの貢献度やサポーターの反応等を分析し、候補を挙げます。その中から総合評価を行い、一番評価の高かった選手をMOMに選出するといった流れになっているようです。
MOMは誰が選出するのか?
では一体その選出を誰が行っているのか?
それは、マッチコミッショナーです。マッチコミッショナーとは、試合会場における全ての出来事に対して、監督や運営上の最終的な判断を行い、それに関する報告書の提出を行う役割を任された人物のことです。サッカー協会や国際サッカー連盟などから派遣されているようです。
そのマッチコミッショナーに任命された人物が、最終的なMOMの選出を行っています。
目立った選手やピッチ上の選手が100%受賞するとは限らない
各試合ごとに最も印象的だった選手に対して贈られる賞がMOMだということはお話ししてきましたが、必ずしも目立った活躍をした選手に与えられる訳ではありません。もちろん、目立った活躍をした選手がMOMに選出される確率は高いですが、それ以外の場合も考えられます。
例えば何度もピンチを救ったGK、決定機をブロックしたDF、攻守に渡り絶大な貢献をしたミッドフィルダーなど、試合を決定づけるゴールを決めたエースに必ず贈られるという訳ではないということです。全員にその可能性があり、例え目立った活躍ではなくても、チームの勝利に大きく貢献した選手には受賞の可能性があります。
そして、ピッチ上でプレーした選手が100%受賞する訳でもありません。過去には、白血病患者への血液提供の為に、試合を欠場していた選手にMOMが送られたこともあります。このようにその試合に関わった全ての人にMOMを受賞する権利があり、可能性があります。
MOM受賞者をご紹介
では実際にMOMを受賞した例を見ていきましょう。
W杯
リオネルメッシ選手
2022カタールワールドカップ決勝で、2得点を決める活躍で母国アルゼンチンを自身初の優勝に導き、その決勝戦でMOMに選出されています。カタール大会を通じて5度目の受賞となっており、「メッシの為の大会」といった声も挙がっていましたね。
クリスティアーノ・ロナウド選手
2018ロシアワールドカップのグループリーグでロナウド選手率いるポルトガルは強豪スペインと対戦。試合は3-3の引き分けであったが、ポルトガルの3点はロナウド選手のハットトリックによるもの。試合終了間際のフリーキックは今でも語り継がれる伝説となっています。ハットトリックの活躍でチームの勝利とはならなかったものの、MOMに選出され、ワールドクラスの選手だと世界中から称賛されました。
世界の各リーグ
遠藤航選手(リバプール)
記憶に新しい例で言うと、2023-24プレミアリーグ第28節のリバプール対マンチェスターシティの首位争いをかけた全世界注目の一戦で、アンカーとして出場した日本の主将遠藤航選手がMOMに選出されました。試合は1-1のドローに終わりましたが、攻守に渡り素晴らしい活躍を見せ、シティの心臓であるデブライネ選手を完封していましたね。
ジュード・べリンガム選手(レアルマドリード)
世界的にも伝統の一戦として知られるクラシコ(2023-24)で、レアルマドリード所属のべリンガム選手が2ゴールの活躍を見せ、MOMに輝きました。ここぞという時に点を取ってくれる頼もしさが彼の魅力ではないでしょうか。今や「レアルマドリードの心臓」とも言われるほど、クラブにとって必要不可欠な存在となっています。
日本代表
田中碧
2022年FIFAワールドカップのグループ予選で、決勝トーナメント進出をかけて強豪スペインと対戦。苦しい時間も多い試合となりましたが、2-1で勝利し決勝トーナメント進出を決定づけました。
この試合の後半6分に三笘選手の折り返しを詰めて、見事逆転決勝弾を決めた田中碧選手がMOMに選出されました。優勝候補とも言われていたスペイン相手に逆転をした瞬間だったので、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか?
まとめ
さて、今日はサッカー用語として広く使われている「MOM(マンオブザマッチ)」について解説してきました。MOMはMVPとは違い、1試合ごとに選出されます。そしてそれはピッチ上の選手だけでなく、その試合に関わる全ての関係者が受賞する可能性のあるものです。
自分が見る試合や見に行く試合で、誰がMOMに輝くのか予想しながら観戦してみるのも面白いかもしれませんね。