サッカーというスポーツにおいて、特別な意味を持つとされる背番号「10」。

そんな10番という背番号にはどんな意味や理由、歴史があるのか?
そして、10番を背負う選手にはどんなスキルや役割が求められ、今までどんな選手たちが背負ってきたのか?

今日は、そんな疑問にお答えするべく、「10」という背番号について徹底的に解説していきたいと思います。

サッカーで背番号10番の意味とは?

サッカー界で背番号「10」は、特別な意味を持つ数字として知られています。

ですが実際に、「こういった意味がある」といった明確な理由や定められた理由などは特にありません。ただ、日本を含めた世界中で「10」という背番号が特別な意味を持つことは共通認識されています。

では、その意味とは一体何なのでしょうか?

意味は様々ありますが、一般的によく言われるのは、エースナンバーだという理由です。エースと聞くと、点を取るストライカーを思い浮かべるかもしれませんが、実際には点を取ることはもちろん、攻撃の要として活躍するチームの中心的存在のことを指します。足元の技術やパスセンス、判断力に加え、決定力も備えた攻撃の中心選手がつける番号という意味があります。

サッカーで背番号10番に期待される役割とスキル

背番号10番は、様々な役割とスキルを期待されますが、具体的にどんなことを期待される背番号なのか。ここでは、その期待される役割とスキルについて解説していきます。

攻撃の中心選手としてチームを牽引する

背番号10番には、攻撃の要としての活躍が求められます。決定力はもちろんですが、攻撃を組み立てる判断力やパスセンス、高いドリブルスキルを持った選手が当てはまります。その選手を中心として攻撃が回っているとも言えるような活躍が理想的ですね。

リーダーシップの発揮(10番がキャプテンのチームも多い)

先ほどもお伝えした通り、攻撃の要としての活躍を期待されているわけですから、リーダーシップも必要とされます。味方との連携や味方への指示、積極的にゴールを目指す姿勢などが要求されます。

この点から、10番がキャプテンのチームが多いのも納得できますね。

技術の高さ

もちろん、足元の技術やシュートセンス、パスセンスなど様々な状況において高い技術が求められます。ファンタジスタなんて言われることもあるぐらいなので、プロであれば特に観客を沸かせるような華麗なテクニックや決定力の高さが期待されます。私のサッカー経験上、スピードがある選手というよりは、足元の技術があって周りを活かしながら攻撃を進めていくというような司令塔タイプに10番が多いイメージです。

勝負強さ

ここぞという時に点を取る、アシストするなどの勝負強さは常に求められます。ここで試合を動かしたいといった時に注目され、期待されるのが10番です。そのプレッシャーの中でも結果を出せる勝負強さとメンタルが必要です。

背番号10番の主なポジションは?

では、10番を背負う選手がよく配置されるポジションは一体どこなのか?

それは、トップ下やセカンドトップが多いです。最近では、両ウィングも見かけます。

トップ下

フォワードのすぐ後ろに位置し、フォワードや両サイドを活かす起点になるポジションです。また、味方を活かすだけでなく、自分で突破する技術と自分でも得点を決められる決定力が必要です。

セカンドトップ

2トップのやや後ろ気味、少し引いたぐらいの場所に位置し、フォワード(11番)や両サイドと連携を取りながらゴールに迫ります。フォワード(11番)を活かすスルーパスや11番のポストプレーから得点を狙ったり、先ほどのトップ下に比べ、より攻撃的なポジションになります。

その他の背番号の主なポジションは?

では、10番以外の背番号の基本的なポジションはどこになるのでしょうか?
※決まりはありませんが、ある程度は背番号によるポジションのイメージというものがあります。

・1番…ゴールキーパー
・2番…右サイドバック
・3番…センターバック、左サイドバック
・4番…センターバック
・5番…左サイドバック、センターバック
・6番…守備型ミッドフィルダー
・7番…ミッドフィルダー(ボランチ)、両サイドハーフ
・8番…ミッドフィルダー(ボランチ)
・9番…両サイドハーフ、センターフォワード
・10番…トップ下、セカンドトップ
・11番…両サイドハーフ、フォワード

私のイメージになりますが、キーパーが1番。2番~5番がディフェンダー、6番~8番ぐらいがミッドフィルダー、9番~11番ぐらいがフォワードなどの攻撃的ポジションといったイメージです。

背番号10番はどんな選手がつけるのか?

これまで解説してきた内容と被る部分があるかもしれませんが、ここではどんな選手が背番号10番をつけるのにふさわしいのかを解説します。

チームのエース

やはり「エースナンバー」と言われる番号ですので、チームにとってエースと呼べる存在が10番をつけることが多いです。味方から信頼があったり、頼れるといった選手がふさわしい番号とも言えますね。

キャプテン

チームのキャプテンが10番をつけているケースも多いです。10番をつけるということは、それなりに技術もあってチームを引っ張る力があります。いわゆるリーダーシップを発揮できる選手が多いということです。そんなリーダーシップがあり、プレーでもチームを牽引していくといった選手がつける番号だと言えます。

ファンタジスタ(創造性溢れるプレー)

プロの世界では、観客を沸かせるようなプレーや華麗なテクニックを持った選手が10番をつけていることが多いです。その技術の高さや創造性溢れるプレーが、10番という背番号が「ファンタジスタ」と呼ばれる要因だと思います。やはり、他の選手には真似できないようなプレーをできる選手は、特別な意味を持つ「10」という背番号を背負うにふさわしいと言えます。

背番号10番が特別な意味を持つようになった理由と歴史

では、なぜ「10」という背番号がサッカー界において特別な意味を持つようになったのか。その理由と歴史について解説していきます。

サッカーの神様「ペレ」の活躍

1958年に開催されたスウェーデンワールドカップで、ブラジルを優勝に導く驚異的な活躍を見せたペレが、当時つけていた背番号がたまたま「10」でした。そこから10番という背番号は、スター選手やチームのエースがつける番号といった認識が広まっていきました。

日本では「キャプテン翼」の影響も

日本でサッカー漫画の代表作として知られる「キャプテン翼」。その中で出てくる大空翼というキャラクターが10番をつけていることから、この10番という背番号が意味を持つ背番号だという認識が日本でも定着していったと言われています。

歴代のレジェンドで10番を背負った選手

ディエゴ・マラドーナ

Pinterestより引用
国籍アルゼンチン
生年月日1960年10月30日(2020年11月25日死去)
身長165cm
体重69kg
ポジションMF、FW
マラドーナ選手のプロフィール

「神の子」と呼ばれた元アルゼンチン代表の選手で、サッカー好きであれば誰しもが知っている選手だと思います。「5人抜きゴール」や「神の手」などサッカー史に残る様々な名シーンを生み出し、アルゼンチンをワールドカップ優勝にも導いた伝説の選手です。アルゼンチンでは、リオネルメッシと並んで英雄とされています。

ロナウジーニョ

Pinterestより引用
国籍ブラジル
生年月日1980年3月21日
身長180cm
体重83kg
ポジションMF、FW
ロナウジーニョ選手のプロフィール

サッカー史上最高の選手の1人とも言われる元ブラジル代表の選手です。スペインの名門バルセロナで長年プレーし、その技術の高さや創造性溢れるプレーが特徴的でした。試合中であっても笑顔を見せながらサッカーを楽しむ姿から「ファンタジスタ」と称賛され、多くのサッカーファンを虜にしてきました。引退後しばらく経った今でも人気がある選手です。

現役で10番を背負っている選手

リオネル・メッシ

Pinterestより引用
国籍アルゼンチン
生年月日1987年6月24日
身長169cm
体重70kg
ポジションFW
メッシ選手のプロフィール

バロンドールを史上最多の8度も受賞し、今や世界No.1プレイヤーとの呼び声も高い選手です。今までに様々な偉業を成し遂げ、2022年のワールドカップでは母国アルゼンチンを優勝に導くなど、誰しもが認める選手です。世界トップレベルの技術や決定力、判断力や勝負強さもあり、まさに10番といった選手ですね。

ネイマール

Pinterestより引用
国籍ブラジル
生年月日1992年2月5日
身長175cm
体重68kg
ポジションFW
ネイマール選手のプロフィール

ブラジル代表やパリサンジェルマンで10番を背負い、ペレやロナウジーニョに称賛されるほどの実力の持ち主です。華麗なテクニックや観客を沸かせるような圧巻のプレーができる選手であり、「ファンタジスタ」という名がよく似合う選手だと言えます。また、足元の技術だけでなく、シュートセンスやパスセンスにも優れており、彼にボールが渡るだけで歓声が起こるのも納得できますね。

歴代日本代表で10番を背負っていた選手

中村俊輔

Pinterestより引用
国籍日本
生年月日1978年6月24日
身長178cm
体重71kg
ポジションMF
中村俊輔選手のプロフィール

かつて日本代表で10番を務め、日本の攻撃を牽引する司令塔として活躍しました。持ち前の左利きの精度の高さと、判断力の高さに優れ、彼の存在は日本に様々なタイトルをもたらしました。

香川真司

Pinterestより引用
国籍日本
生年月日1989年3月17日
身長175cm
体重68kg
ポジションMF
香川選手のプロフィール

中村俊輔選手の引退後に、空き番となっていた10番を継承し、日本のエース兼司令塔として活躍しました。攻撃的ミッドフィルダーとして、持ち前のテクニックや速い判断力、豊富な運動量を武器に、長く日本代表を支えてきた選手です。

日本と海外では、背番号10番の認識が違う?

日本では、技術はもちろんですが、それ以外にもチームを引っ張るリーダー性があるかどうかという点も10番という背番号に期待される要素です。

ですが、海外ではリーダー性というよりは、プレーが重要視されている傾向が強いと感じます。選手で言うならネイマール選手などがまさにそんな感じだと思います。いわゆる「ファンタジスタ」と言われる選手が、10番を背負うことが多い気がしますね。

国やクラブによって、「10」の意味合いは変わってくる

ここまで、背番号10番がエースナンバーであり、どんな選手がつけるべき背番号かを説明してきましたが、どの国やクラブも同じ認識という訳ではありません。

例えば、その国やクラブ伝統のエースナンバーがある場合や、それぞれの選手が好きな背番号をつけることにより、エースナンバーが変化していく場合などが挙げられます。ですので、10番という背番号に対して、世界のどの国もクラブも共通して同じ認識を持っているということではないです。

背番号は誰がどんな理由で決めているの?

背番号を決める人は、特に決まりはありません。選手がつけたい番号を取っていく場合もありますし、監督が決める場合もあります。自分が身に着けたいと思った背番号を背負えるのが1番ですが、必ずともそうなるとは限りません。

どんな理由で背番号を決めているかですが、背番号は適当に決めているチームもあれば、背番号ごとにちゃんとした役割があるチームもあるかもしれません。その理由はチームによって変わってくるというのが答えになりますね。

背番号に関わる豆知識

最後に背番号にまつわる豆知識を1つ紹介します。

昔はユニフォームに背番号はなかった

驚くかもしれませんが、昔はサッカーユニフォームに背番号はなかったそうです。今では背番号のついたユニフォームが当たり前になっていますが、背番号をつけることが正式に義務化されたのは1939年のことです。

現在は、背番号というものが意味を持っていたりしますが、昔はそれほど重要なことでもなかったみたいですね。ですが今となっては、なくてはならないものになりました。

まとめ

さて、今日は10番という背番号がどんな意味を持つのか、そして意味を持つようになった経緯や、どんな選手が背負う番号なのかについて解説してきました。10番以外にも、それぞれの背番号に込められた意味やその背景を知ると、サッカーがより面白くなるのではないでしょうか?

では、また。

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