若くから海外でプレーし、日本サッカー界の将来を担う存在として期待されている久保建英選手。現在はリーガの名門レアルソシエダに在籍し、輝かしい活躍を見せています。

そんな今後の活躍に世界が注目を集める彼がどんなプレースタイルで、どんな人物なのか。

そこで今日は、「久保建英」という選手について徹底的に解説していこうと思います。

久保建英選手のプロフィール

国籍日本
生年月日2001年6月4日
身長/体重173cm/67kg
所属チームレアルソシエダ
ポジションMF
久保選手のプロフィール

久保建英選手の経歴やキャリア

goal.comより引用

少年時代(プロ入り前)

彼は、わずか2歳の時にサッカーを始めます。小さい頃からその才能を開花させ、FCバルセロナキャンプでMVPを獲得するなど小学生ながら注目が集まる存在になっていきます。

小学校3年生の時には川崎フロンターレの下部組織に入団し、10歳の時には日本人として初めてFCバルセロナのカンテラ入団テストに合格します。そのタイミングで川崎フロンターレの下部組織からスペインに移籍し、バルセロナの下部組織に所属します。カップ戦得点王やMVP、またリーグの制覇に大きく貢献し、この頃には日本でも注目選手として取り上げられるようになっていきます。

そんな中、FCバルセロナがFIFAから18歳未満の外国人選手の獲得や登録違反による制裁措置を受けたことにより、彼に公式戦出場停止処分が下されて出場機会がなくなった為、退団を決意し日本に帰国します。

帰国後、FC東京の下部組織に入団。中学3年生ながら、FC東京U-18に昇格し日本クラブユースサッカー選手権では史上初の中学生の得点王に輝く活躍を見せます。その後、FC東京のトップチームに2種登録され、Jリーグ史上最年少記録を塗り替える若さでJリーグデビューを飾ります。

FC東京時代

2017年、FC東京とプロ契約を結び、プロサッカー選手としての人生をスタートさせます。2018年にはFIFAワールドカップに日本代表のトレーニングパートナーとしてU-19日本代表に選出。現地での経験からさらに上のレベルで勝負がしたいと監督に直訴したそうで、横浜Fマリノスへの期限付き移籍が決まります。

横浜Fマリノス時代

ここで彼はメンタル面、そして課題であった運動量や守備力を磨き、サッカー選手として大きな成長を見せます。その後復帰するFC東京での活躍のきっかけとなった移籍だったと思います。

FC東京へ復帰

移籍経験を活かし、監督も驚くほどのパフォーマンスを披露した結果、J1でのスタメン抜擢やフル出場をするなどチームの中心選手として活躍。その活躍と契約期限との関係もあったが、世界のビッグクラブレアルマドリードへの移籍が決定。彼の海外での再チャレンジが始まることになります。

レアルマドリード時代

2019年6月、レアルマドリードに移籍。レアルマドリードでは、ルカモドリッチやベンゼマら世界トップレベルの選手たちと共にプレーするが、外国人枠の関係でリーグ戦への登録が出来なかったことからすぐにマジョルカへの移籍となります。

マジョルカ時代

この年に1部(ラ・リーガ)昇格が決定したマジョルカへ移籍。結局チームは1年での降格となってしまいますが、ラ・リーガの「ブレイクした11人」に選出されるなどの活躍を見せ、世界でも名の知れた選手となります。

ビジャレアル時代

2020年、ビジャレアルへ期限付き移籍。マジョルカ在籍時のような活躍を期待されるが、開幕戦6試合連続ベンチスタートとなり、その後出場機会はあったものの、期待された活躍が出来ずに出場機会はほとんどなくなっていったようです。このビジャレアル時代のパフォーマンスは彼の市場価値を大きく減らすことにもなり、彼にとってもしんどい時期だったのではないでしょうか。

ヘタフェ時代

ビジャレアルの後に移籍したこのヘタフェでも、チームの1部残留を決定づけるゴールを決めるも、それ以外に目立った活躍はできず、ここもわずか半年ほどで移籍という流れになります。

マジョルカ時代

2019年8月、マジョルカへの移籍が決定し、再びマジョルカでプレーすることが決まります。2019年の時のような活躍を期待されますが、期待には応えられずに約1年の在籍を経て、現所属のレアルソシエダへと移籍します。

レアルソシエダ時代

レアルソシエダに移籍後は先発出場や得点も増え、ここ数年が嘘かのような結果を残します。リーグ戦9ゴール4アシストの活躍で、チームの10年ぶりとなるUEFAチャンピオンズリーグの出場にも貢献。チームの年間最優秀選手やリーグ年間ベストイレブンを受賞するなど、彼が世界から再注目されるシーズンとなりました。また、2023年9月にはラ・リーガの名だたる選手たちを抑え、日本人初の月間最優秀選手に選ばれました。

彼のサッカー人生を大きく変える、また結果が出なかった時期を乗り越えるきっかけとなり、私たちにとっても今後の彼の活躍が楽しみとなる移籍になったと思います。

日本代表

2016年、U-16日本代表に選出されたことから始まり、その後も継続してU-19、U-20日本代表にも選出されます。中学生ながら史上初となるU-19日本代表に選出されるなど、若くから日本サッカー界の期待の若手として注目される存在だったようです。

2019年には、初めてA代表に選出。2021年には東京オリンピックのU-24日本代表に選出され、3試合連続ゴールなどチームの中心として活躍するも、チームはメダルには届きませんでした。

2022年、カタールワールドカップのメンバーに選出。グループリーグのドイツ戦、スペイン戦でスタメン出場し、「死の組」と言われたグループの突破に貢献するが、体調不良の為に決勝トーナメント1回戦はベンチ外となるなど、悔しい結果となりました。

久保建英選手のポジション

黄色で塗りつぶしたところが久保建英選手のポジションです。彼は左利きの為、右ウィングや右サイドハーフで起用されることが多いです。縦に仕掛けることも、カットインしてシュートすることも狙えるポジションということですね。

久保建英選手のプレースタイル

dazn.comより引用

現在、世界トップレベルの選手たちが集結するラ・リーガで圧巻の活躍を見せる久保建英選手。では、彼の何がすごいのか?なぜここまで活躍できているのか?ここでは、彼のプレースタイルについて解説していきます。

キレのあるドリブル

久保選手の最大の特徴と言ったら、何と言ってもドリブルではないでしょうか?

細かいタッチと緩急のあるドリブルが特徴的で、相手ディフェンダーからすれば1番ボールを奪いにくいドリブルだと言えますね。タッチが細かいので、ディフェンダーが足を出せば簡単に抜かれますし、そもそも相手を自分の間合いに絶対に入れさせないようなドリブルが出来ます(懐が深い)。

また、相手ディフェンダーと駆け引きをして緩急をつけたドリブルができるのも彼の特徴です。相手ディフェンダーの動きをよく見て、今1番効果的なことは何かを判断できるので一気にスピードを上げて抜きに行くことも、スピードを落として駆け引きすることもできます。

このタッチの細かさと相手との駆け引き、緩急をつけたドリブルができることから、「和製メッシ」なんて呼び名がつくこともありますね。

キックの精度

彼はドリブルだけでなく、キックの精度も高いです。その為、FKやコーナーキックのキッカーを任されることも多く、その精度の高さを誰しもが認めていることと思います。その精度の高さで、特に最近は数々のチャンスを演出していますし、得点も量産しています。彼のパスやシュート1本で流れを変えたり、試合を決定づける力を持っていると言っても過言ではないでしょう。

また、利き足の左足ばかりが注目されがちですが、右足でいいクロスボールを上げている場面もよく見ます。右足が使えることによってカットインだけでなく、縦への突破も可能になるので相手からすれば攻撃の選択肢が多くて厄介な選手だと思います。

顔が下がらないことによる視野の広さ

これは主に彼のドリブル中に言えることなんですが、彼はドリブル中に全く顔が下がりません。常に周囲の状況、相手ディフェンダーの動きを見ています。ですので、自分が引き付けておいて周りを使ったり、相手ディフェンダーの動きを見てその逆を突いたりすることが出来ます。また、その視野の広さがあるからこそ、ベストなタイミングで最適な判断が出来ていると思います。

この部分が、彼が得点だけでなくアシストもできる最大の要因だと思いますね。

久保建英選手の課題

times.abema.tvより引用

久保選手の上手さや良さをお伝えしてきましたが、では逆に課題や弱点はあるのでしょうか?ここでは久保選手の課題について解説していきます。

フィジカル面

私が感じる彼の一番の課題はフィジカル面です。具体的に言うと、スピードとパワーですね。やはり日本に比べて海外のサッカーはフィジカル面での強さが大切になってきますし、逆にこの部分が弱いと相手にされません。久保選手はテクニックもあり、守備も頑張ろうとはしますが、やはりこの海外のスピード感とパワーで負けてしまう時があります。小柄な選手ですので仕方ない部分もありますが、もっとスピードとパワーをつけることができれば、まだまだ上のレベルを目指せると思います。

持ち前のドリブルに今以上のスピードが加われば、もっと楽に相手を抜けると思いますし、体格の大きい選手に当たり負けしないパワーがあれば、守備でも攻撃でももっと輝ける選手だと思います。ですので、今後はこのフィジカル面での成長に期待したいです。

パフォーマンスの安定性

最近の活躍を見ると安定してきたように思いますが、少し前まではパフォーマンスがなかなか安定しないことが大きな課題でした。存在感を示す試合もあれば、全然ボールに絡めず途中交代してしまう試合もあるなど、パフォーマンスが安定しないことによりスタメンを外されたりすることも度々ありました。

今後は最近の活躍により、相手のマークが激しくなることが予想されます。その中で彼がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、どれだけ安定したパフォーマンスを発揮できるのかに注目していきたいですね。

ラ・リーガで大躍進の活躍。何が変化した?

ここ最近の彼の活躍を見ていると、少し前の移籍を繰り返していた時期は何だったんだという感じがしますよね。では、彼がここまで活躍できるようになったのはなぜなのか?何が変化したのか?ここでは彼の成長の要因について解説します。

個人的に一番変わったのは、結果を出すことへの貪欲さだと思っています。もちろん今までがそうじゃなかった訳ではないと思いますが、レアルソシエダに移籍後は特に得点を取ること、数字として結果を出すことに貪欲になったと感じます。それは彼の試合を見ていると伝わってきますし、結果にも表れています。

もちろん一つ一つのプレーで意識することが変わったとか、チームの戦術の部分で彼にハマっているなんてこともあるかもしれませんが、彼が貪欲に結果を求める姿勢というものが素直に結果に表れたのではないでしょうか。

久保建英選手のスーパープレー

ではここで、昨シーズンと今シーズン大活躍の久保建英選手のスーパープレーを紹介していきます。上でお伝えしたプレースタイルや以前と何が変わったのかに注目しながらご覧ください。

YouTube:DAZN Japanさんより引用

久保建英選手の海外からの評価や市場価値・移籍金の推移

海外からの評価

レアルソシエダに移籍後の活躍により、チームメイトやサポーター、地元紙からも高評価のようです。MOMに選出されたり、ラ・リーガの月間MVPなどの成績が高く評価されています。また、最近の試合では地元紙がつける採点点数も常に高得点で、彼がいかに現地で認められた存在かということが分かります。「タケクボ」との愛称で呼ばれており、ファンからも人気な存在なんだとか。

市場価値・移籍金の推移

年月在籍チーム市場価値
2019年1月FC東京2億4000万円
2019年6月レアルマドリード3億2000万円
2019年9月マジョルカ(レアルマドリードからレンタル移籍中)12億円
2019年12月マジョルカ(レアルマドリードからレンタル移籍中)18億円
2020年4月マジョルカ(レアルマドリードからレンタル移籍中)17億円
2020年7月ビジャレアル(レアルマドリードからレンタル移籍中)37億円
2021年1月ヘタフェ(レアルマドリードからレンタル移籍中)25億円
2021年6月ヘタフェ(レアルマドリードからレンタル移籍中)19億5000万円
2021年10月マジョルカ(レアルマドリードからレンタル移籍中)12億5000万円
2022年7月レアルソシエダ13億円
2023年10月レアルソシエダ78億6000万円
2023年12月レアルソシエダ93億円(日本人過去最高)
久保選手の市場価値推移

表のとおり、レアルソシエダに移籍してからの市場価値の伸びがすごいですよね。2023年12月に発表された市場価値は日本人過去最高を更新する93億円となるなど、その勢いが止まりません。

移籍金も同じように伸びており、FIFA機関が2024年1月に発表した統計によると、155億円となっているそうです。凄まじい伸びですね。

久保建英選手の歴代背番号

続いて彼の歴代背番号を紹介していきます。

在籍チーム背番号
FC東京50、41、15
横浜Fマリノス15
マジョルカ17、26
ビジャレアル16
ヘタフェ5
レアルソシエダ14
久保選手の歴代背番号

数字もバラバラで背番号にこだわりがあるようには見えませんね。ただ、FC東京で背番号「15」を背負っていた時には、「15が好きです」とのコメントも残しています。

久保建英選手の着用スパイク

彼が着用しているメーカーはアディダスです。

アディダスの「エックス」と呼ばれるスパイクを着用しています。スピードをコンセプトに作られており、フィット感のある履き心地が人気なスパイクみたいですね。久保建英選手のスパイクを履いてみたいという方はぜひ一度チェックしてみてください。

久保建英ってどんな選手?プライベートは?

jfa.jpより引用

日本サッカー界の期待の若手として、日本に限らず世界から注目を集める久保選手。では、彼はどんな人物なのでしょうか?プライベートや人物像について解説していきます。

負けず嫌いで向上心が高い

彼が非常に負けず嫌いで向上心が高いことを物語っているエピソードがあります。

FC東京ユース時代に一度だけレギュラーを外されたことがあるそうで、その試合後に彼は監督を呼び出して、「なぜ自分は出られなかったのか」という疑問をぶつけたそうです。この話は約1時間にもなったそうです。

この時まだ中学2年生の彼が、いかにサッカーに対して真剣に向き合っていたか、またこの出来事が彼にとってどれだけ悔しかったのか、負けず嫌いで向上心の高い彼を物語っているエピソードですね。

スペイン語はペラペラ

幼少期からスペインでプレーをし、現地で生活していた経験やプロ後もスペインでのサッカー生活が長い点から彼はスペイン語を母国語のように話せるそうです。実際に現地でのインタビュー動画などを見ていても、何も困ることなく話していますね。ジョークを言って笑いを取ったりすることもあるほどです。

また、英語もできるそうで、スペイン人以外の選手と英語でコミュニケーションを取る場面も見られます。若くから日本語に限らず、スペイン語や英語を話せることは本当に素晴らしいことですね。

アウトドアな趣味を持っている

マジョルカ在籍時代のインタビューにて彼は、「海に行って泳いだり、ダイビングをするのが好き」とアウトドアな趣味があることを語っていました。オフには海に行ってリラックスをすることが彼の楽しみの一つなのかもしれませんね。

まとめ

さて、今日は日本サッカー界の期待の若手として注目を浴びる久保建英選手について解説をしてきました。彼のプレースタイルをはじめ、彼がどんな選手なのか、なぜ世界最高峰のリーグ「ラ・リーガ」で活躍できるのかが少しはお分かりいただけたと思います。日本サッカーを応援するいちファンとして、今後も彼の活躍から目が離せませんね。

では、また。

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